2023/01/23 23:33

どうも、Valkyrie SpearKENZOです。

当ブログではValkyrie Spearのペダルをより深く知ってもらうために、ここでしか知ることのできない情報などを書いていきます。


初回はValkyrie Spearの代表ペダルとなるViolence Boosterが誕生した頃の話です。


まず最初にXotic EP Boosterの存在が重要なポイントとなります。


昔からブースターの定番いえば真っ先にEP Boosterが候補に挙がるかと思います。

迷ったらEP Boosterを買え、と言っても過言ではないくらいの存在かと思います。

もちろん私もその1人でした。


そもそもEP Booster良さは主観的にはバンドセッションのときに必要となるギターのミッドレンジの美味しいところを上手い具合に持ち上げてくれることかと思います。


一方で私は当時SGやレスポールなどのハムバッカー系のピックアップをメインとして使用していて、EP Boosterを通した場合のローからミッドの低域のレンジが思ったよりも厚くなること、その影響でトレブルからプレゼンスの高域のレンジが奥深くに隠れて音がこもり気味の傾向になってしまうことが気になっていました(あくまで私自身の場合の話です)。これはEP Boosterの内部スライドスイッチでの調整しても足りませんでした。

なので私はパワフルなローミッドをバランスよく出しつつ、トレブルの艶感を出して音の輪郭をもっとはっきりさせたいと思うようになりました。


ここで、音色へ影響するパラメーターを整理してみます。


  ①ギター/ベースのシェイプ

  ②ピックアップの種類

  ③トーン回路とボリューム回路

  ④ペダルの音色

  ⑤アンプ側の回路/キャビネットの鳴り方


特にピックアップとアンプ/キャビのキャラクターはブースターとの相性が大きく関係する傾向があると経験から感じています。


そこで私はEP Boosterを使用しても満足できない方へのためにトレブルに艶感がありローミッドがボワつきすぎずに少しタイトな太さをもった音のブースターペダルを独自に作ることにしました。

それも単純に回路のフィルターだけで音を作るのではなくパーツ自体の素材の持ち味を最大限に活かして個性的なペダルにならないかを考えました。

これがViolence Boosterのコンセプトです

なので最初から全ての構成が決まっていたわけではありません。回路の細かい定数や部品の選定などは作りながら決めていきました。


1番重要な「音作り」に関しては基本的な回路のフィルターの調整だけでなく、回路の定数は同じでも部品の種類や素材、メーカーの違いで音が変わることにも着目しています。一部にビンテージパーツなどを織り交ぜていることはViolence Boosterの大きな特徴です。


ただ、この音作りは貴重なパーツや高価なパーツを多く入れればいいという単純な話ではなく、部品が持つ音のキャラクターを一つ一つ理解した上で「自分が目指そうとしている音」に合ったものを選んでいく必要があります。


それこそ初期の試作品はそこそこ選び抜いたパーツを搭載していたのですが正直全然ダメでした。悪くはないですがただただ普通な印象。

高域の音は濁っていて耳に突き刺さり、低域も大きいがただただボワついている。

要は鳥肌が立つような「感動」が全くなかったのです。


そこから期間をかけてカットアンドトライを繰り返してようやく今の音に仕上がりました。

聴いた瞬間におお、これなら満足だ!と。

基本的に体がゾクゾクするような感動を私が感じるまで発売はしません。


特にViolence Boosterの強みとなる高域の艶感の具合は定数とかではなく特に部品の特性の影響が支配的なので回路が同じだとしても搭載しているある特定のパーツが無いと今のサウンドは成立しません。


こうしてViolence Booster MK IIが誕生しました。


以下の動画でOFF/ONの音の違いを聴いてみてください(ベース動画は末尾にあります)


※視聴にはヘッドホンかイヤホンを使用されることを推奨します。PCやスマートフォン内蔵のスピーカーではペダル本来の音の違いが消えてしまうことがあります。



実際に実機で聴いて頂くとよくわかるかと思いますが、大音量で鳴らした時でも雑味が少なく輪郭のある立体的なサウンドになるよう調整しています。



ここで一つ知って頂きたいのはViolence Boosterは決してEP Boosterの存在を否定しているわけではないということです。


この世の中には十人十色のギターやベース、そして組み合わせ無限大のペダルボードがあるわけですのでその人にとって最適なブースターが見つかるように選択肢の一つとして私はViolence Boosterを提供しています。


Violence BoosterもMaestro Echoplexのプリアンプのように通すだけで音が良くなる魔法のボックスのように認知されていけば良いなと思っています。


あなたもご自身の機材に合った最適なブースターを探してみるのはいかがでしょうか?

そして機会があれば「通すだけで太く艶やか躍動感のあるサウンドへブラッシュアップさせるViolence Booster MK II」をぜひともお試しくださいませ。


▼参考 : ペダルボード導入例

アーティスト・ペダルボードへの導入事例


▼参考 : Violence Booster製作映像



▼製品ページはこちらから


▼試奏動画はこちらから

[ギター編]



[ベース編] (Player : masa@Secret Bass)



今回はここまで!次回は「新モデルViolence Bufferへの派生」についてです。ではまた!

[Valkyrie Spear’s Story 2] Violence Bufferへの派生物語